太古の香り

昨日雨の中を歩いた靴をうっかり今日も履いてしまった
しまった！と思ったが遅く
一瞬で靴下がえもいわれぬ香気を発するようになっていた

ただでさえ洗濯ものが乾かないこの時期
靴下一足といえども無駄にしたくないとそのまま履いている
職場でサンダルに履き替え、時々確認するが相変わらず良いにおいがする

このにおいはいわゆる雑菌で
しかしながら元はと言えば俺の足に始からくっついてた
俺の菌が靴の中で適度な水分と養分（おぇ）によって増殖されたものだろう

そう思うと少しいとおしくなった
いまも誰も見ていないときを狙って時々クンクンしている

遠い昔にこんな臭いに包まれて暮らしていたような気がしてくる
梅雨は人を太古に戻すのかもしれない